研究

2022.10.12

自分の中にあるデザインの定義にとらわれず、見えないものをデザインしていく

芸術学部 デザイン学科 
映像情報デザイン領域 / インタラクションデザイン研究室
水谷 元 准教授

教員プロフィール

みずたに?げん
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業の後、同学科研究室助手をつとめる。その後WEBデザイナーを経て、現在に至る。
「情報の顕在化」「経験則による情報デザイン」をキーワードに、「情報とのつきあい方」をテーマとしたインタラクションデザイン/アート?インターフェイスデザインに関する教育研究を行っている。

生活を豊かにするデザインを追求

 近年、デジタルデバイスの発展は人々の行動様式を大きく変化させるとともに、新しい暮らしや文化ですら次々に生み出しています。しかし、人間の外界情報の認知の仕組みはどうでしょうか?私たちはデジタルデバイスを利用し学習を重ねることはできますが、電子的情報伝達と人の五感の隔たりは人間が合わせることで埋められます。

 テクノロジーが進歩したことで、私たちは直接五感を通じて情報を得ることが少なくなってしまいました。果たして、それで本当に人間の生活は豊かになったのか?ということに私は疑問を感じている部分があります。そこで、テクノロジーを使い、たくさんの情報を手にすることができる仕掛け?しくみをつくり、豊かに感じ取るということを目指してあげたほうが本当の意味での豊かな生活に近づけると思うのです。研究室では、そういったことをテーマに情報との付き合い方を新しく提案し、どのような情報が手に入れば私たちは幸せになれるのだろうかという問題解決をテーマにしたデザインを目指しています。

情報量豊かなコミュニケーションは研究にも大切なこと

 研究室で大切にしていることは、情報量が豊かなコミュニケーション。メールなどの文字だけではどうしても密な関係性は構築できません。なるべく大勢で多くの情報を共有し合うことで研究の質も豊かになるので、授業もそうですが3、4年生で一緒に活動することが多いです。4年生が3年生に自分の研究や学びを振り返りながら教えることで学びを定着する、3年生は先輩から技術や経験を教わることで研究への向き合い方が身近になる、双方向にとって社会でのクリエイションに向けた、より良いコミュニケーションをとることができます。

目に見えないものをデザインすることの大切さ

 現代ではデザインと呼ばれるものの範囲は非常に広く、目に見えないもので生活を豊かにしていくという部分にデザインの定義自体がシフトしてきています。目に見えない部分をデザインし、生活を豊かにするという考えを身に付けることはこれからの就職活動の中でも役立ちます。すでに自分の中にあるデザインの定義にとらわれず、一歩踏み出してその定義を更新し、それを自らの武器 にしてもらいたいです。  
 現代の学生は、溢れる情報の中から必要なものを選択するという環境で育ってきました。そうすると、無から何かを創り出すことに対して、夢を持ったり憧れを抱いたりするということが少なくなっている気がしています。誰かが用意したものではなく、自分で新しいものを作り出すという意識を持ちながら制作と向き合ってもらいたいと思います。

※所属?職名等は取材時のものです。

デザイン学科

幅広い学びから自分の専門を極め、一生走り続けられるデザイナーになる。

建物などの生活空間や工業製品、ポスター、雑誌、Webなど、私たちの暮らしは様々なデザインで彩られています。幅広い領域の中から自分の可能性に気づくために、本学科では1?2年次に一通りのジャンルを学び、その上で自分の専門に進めるカリキュラムを用意。現役クリエイターとして実績のある教員が、生涯にわたり活躍できる実践力を鍛えます。